近年人気の高い食用薔薇。
見た目も美しく、栄養も豊富なため人気に火がついていますね。
料理に添えるだけのものではなく、演出にもなりパーティーや食事会などが一気に華やかになります。
しかし食用に限らず、薔薇は育てるのが非常に難しいといわれていますね。
その理由は、薔薇が病気にかかりやすいことと害虫が寄ってきやすいことだそうです。
薔薇は「病害虫のデパート」ともいわれているそうです…。
そんな薔薇にはどんな害虫がつくのか?小麦粉を使って害虫対策は可能か?などの疑問にお答えします。
食用薔薇と鑑賞用薔薇の違い
鑑賞用薔薇は絶対に食べてはいけません。
というのも鑑賞薔薇は見た目の美しさを最優先に育てています。
そのため、害虫や病気から守るために多量の農薬が使われていることが多いです。
耐病性が強い品種の薔薇であれば農薬の使用回数も使用量も減らせますが、鑑賞用の薔薇は口に入らないのが前提で、美しく咲き誇ることを第一に考えられているので多くの場合は農薬を多量に使っています。
一方、食用薔薇は見た目の美しさではなく、口に入れることを前提に安全性を第一に気を遣って育てています。
病害虫のデパートと揶揄されるほどに難しい薔薇栽培では、いかに農薬の回数と使用量を減らすかが重要事項です。
そのため、食用薔薇は鑑賞用薔薇以上に耐病性の強い品種を取り入れています。
食用薔薇は咲いているときは鑑賞用薔薇ほどの美しさはありません。
食欲をそそる色合いかつ香りが強く、美味しい品種が食用薔薇として適しています。
食用薔薇につきやすい害虫
食用薔薇につきやすい代表的な害虫はバラシロカイガラムシ、ゴマダラカミキリ、アブラムシ、ハダニです。
ゴマダラカミキリは6~8月にかけて根や枝に寄生し、体長は2.5~3.5cm程度の害虫です。
ゴマダラカミキリの幼虫は根から食い入り、成虫は新枝をかじってしまいます。
産卵の際には樹皮をかじって傷つけて、そこに卵を産みます。
放置しておくと薔薇が壊死する恐れがあります。
バラシロカイガラムシは1年中発生する、1mm程度の非常に小さなサイズの害虫です。
薔薇の茎や枝に寄生して養分を吸い取りながら成長します。
薔薇から吸い取った養分を対外に排出して、白く小さな貝殻のようなものを形成して身を守る習性があることからバラシロカイガラムシという名前がつきました。
害虫といっても薔薇の生育に悪影響を及ぼすことはありませんが、見た目があまりにも悪いです。
放置しておくと他の薔薇にまで被害が及ぶ恐れがあります。
アブラムシは3~11月の少雨時期に発生し、芽や茎、つぼみに寄生します。
関東より北の地方ではアブラムシは卵で越冬し、西の地方では成虫のまま越冬して1年中幼虫を生み続けます。
アブラムシは2~4mm程度の害虫で、さまざまなウイルスを媒介するので対策をせずに放置しておくと食用薔薇が病気にかかる恐れがあります。
一度かかると治すことができないウイルスもあるので、農薬をできる限り使わずに育てる必要がある食用薔薇にとっては大敵です。
ハダニは4~11月にかけて、葉の裏やつぼみに寄生します。
高温で乾燥している環境を好み、その条件下だと大量発生します。
特に梅雨明け以降に急激に増えます。
ハダニは吸汁する害虫なので、被害が広がると葉の全体が白っぽくなり、生育にも悪影響を与えます。
体長が0.3~0.5mm程度の害虫なので物理的な駆除が難しいです。
害虫を駆除するには?効果的な対策は?
粘着くんというソフト農薬はご存知でしょうか?
粘着くんは化学性の殺虫成分を含まず、でんぷん質を利用し害虫を駆除します。
これを害虫に向かって噴射することで虫を薬液が覆い、捕捉と呼吸の阻害をして駆除します。
短時間で乾燥し、乾燥することには害虫が死滅しています。
そんな粘着くんを自宅でも簡単に再現することが可能です。
まずは水100ccに対して小麦粉10gを鍋に入れて強火にかけます。
ダマにならないようにかき混ぜながら、とろみがついたら火を止めます。
それを1Lの水で希釈したら完成です。
自作粘着くんのいいところは家にあるもので必要量を短時間で作れるところと、何よりも安価。
インターネット通販では粘着くんは1Lで1400~1800円程度なので自作すれば非常にリーズナブル。
特にアブラムシやハダニ、バラシロカイガラムシといった小さな虫には非常に有効です。
蛾やカメムシといった大き目の虫にも効果的です。
また、うどんこ病といった薔薇の病気に対しても効果を示します。
でんぷん質を利用して、大量発生した害虫も無農薬で簡単に駆除できるのでおすすめです。
食用薔薇につく害虫対策法まとめ
・食用薔薇は安全性が第一、無農薬がベスト。
・害虫を放置しておくと食害だけではなく、ウイルスを媒介して病気にかかったりする恐れがある。
・無農薬で害虫を駆除したいときは自作の粘着くんがおすすめ。
口に入れるものだからこそできる限り無農薬で育てたいですね。
しかし草木や野菜を育てるときに害虫はつきもの…。
いかに自宅にあるもので安価で効果を示す駆除剤をつくれるかというのも大切な要素ですね。