ツツガムシといえばダニの一種。
ダニは布団や野ネズミなどについていて人に感染するイメージがありますね。
現在では年間400~900人のツツガムシ病の患者がいるそうです。
ツツガムシに人が感染したらどんな症状が出るのか、駆除方法や対策法はあるのか。
治療法や予防を交えてツツガムシ病の概要をお伝えします。
ダニの仲間であるツツガムシとツツガムシ病
ツツガムシとはダニ目ツツガムシ科のダニの総称です。
これに属するダニは日本でも100種類ほどの報告があるようです。
幼虫はオレンジ色で成虫になると赤色になります。
通常、幼虫は野ネズミの耳に寄生しており、一生に一度だけ哺乳類の皮膚に吸着します。
その後は脱皮し成虫に向かい、昆虫の卵を食べていきます。
ツツガムシのなかで0.1~3%の個体が産卵感染によちツツガムシ病リケッチアという病原体を保菌しており、これに吸着されることでツツガムシ病を発症します。
中国では西暦313年からツツガムシなどのダニによる感染があったそうです。
現在でも治療をしない場合、ツツガムシ病の死亡率は30%以下といわれています。
死亡率といってもピンと来ないかもしれませんが、例えば結腸がん28.1%、肝臓がん30.4%、悪性リンパ腫11.4%なのでこれらと比べると死亡率は決して低くない病気といえると思います。
もちろん発症率も治療の有無も異なるので一概にはいえませんが、ツツガムシ病に感染した場合は放置しておける数字ではないと思います。
適切に治療をした場合の死亡率は0.43%なので、症状が出た場合は必ず受診しましょう。
ツツガムシは主に野外で生息しており、アウトドアを行っている際に吸着されツツガムシ病を発症する人が多いようです。
毎年日本でもツツガムシ病で亡くなる方がいるので、対策や予防は必須です。
またこの病気の特徴として、日本で1970年までは発症の報告がほとんどありませんでした。
しかし1975年以降は現在に至るまで年間400~900人の発症に関する報告があるので、古くからあった病気が現代で復活しているといえます。
ツツガムシ病の症状を徹底解説
ツツガムシの吸着後、10~14日の潜伏期間の後に38~40℃の高熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、全身の倦怠感といった症状が出ます。
発症後2~3日で無痛の1~2cn程度の紅斑、結膜の充血、喉の腫れ、肝脾腫、リンパ節腫脹の発症があります。
そこで放置してしまうと肺炎や脳炎の合併症状や心不全に死に至ることもあります。
ツツガムシの噛まれた跡は1~2mm程度のほくろのようなものが見られます。
しかし2~3日で消えてしまうので、自覚症状が出たときにはすでに消えてしまっている場合が多いです。
そのため、こういった症状が出た場合は山や川でアウトドアしたなどのエピソードを医師に伝えることが大切です。
かつては秋田県、山形県、新潟県の夏、河川敷で感染する風土病でした。
しかし現在では北海道と沖縄県を除く、全国で発生が見られます。
ツツガムシの駆除と対策法について
ツツガムシの被害は幼虫である初夏から冬にかけて発生します。
人体の柔らかい部位、わきの下や内もも、下腹部などを好んで吸着します。
ツツガムシは血ではなく体液を何時間もかけて吸いますが、ツツガムシは毒性がないので痛みなどの自覚症状はほとんど出ません。
ツツガムシは2mm程度のダニなので目視で見つけて駆除するというのが難しいので予防や対策を行うことが大切です。
まずアウトドアに行くときは長そでと長ズボンを着用して、ツツガムシに噛まれないようにすることが重要です。
ツツガムシに効く忌避剤も販売されており、ディートやイカリジンといった成分が入っている吸血昆虫用の忌避剤を使いましょう。
ディートに関しては6か月未満の乳児まやが12歳未満には使用禁止されています。
有効成分の濃度によって対象年齢が決まってくるので必ず確認してください。
スプレータイプや液体タイプ、ミストタイプ、シートタイプなどさまざまな商品が販売されています。
年齢や手間などに応じて使い分けるといいですね。
駆除が難しいと書きましたが、吸着から菌が移行するまでに6時間程度あるので帰宅したらすぐに衣服の洗濯、入浴をすることでツツガムシ病を防ぐことができます。
吸着は1~2日しているのでキャンプなどの泊まりの際でも帰宅後に対応することができます。
まとめ
・ツツガムシは2mm程度のダニ。
・野山にいった際に吸着されることが多い。
・小さなダニなので駆除をするより事前に予防・対策をしっかりと。
野山に行くとダニやヒルの被害に合うことが多いので、しっかりと対策をしていきたいですね。
夏から秋にかけて登山するのにいい気候ですが、暑くても長そで・長ズボンを着込むことでツツガムシに吸着される確率がぐんと下がります。
帰宅後の洗濯・入浴も忘れずに。