シラミといえば昭和以前または昭和のころに流行ったという意識の人もいるのではないでしょうか。
しかし現代でも集団生活している幼児などでシラミが流行っているそうです。
シラミといえばかかってしまうと対応が大変なイメージがありますが、実際にどういう対応をするのがいいのでしょうか?
シラミの生態、原因と駆除方法などの疑問点についてお答えします。
シラミってどんな虫?
シラミは昆虫網咀顎目シラミ亜目に属する昆虫。
世界では1000種類ほどいますが、これに属する全種が血液や体液を吸って生きる寄生生物です。
アタマジラミとケジラミ、ロコモジラミが人間に寄生するシラミです。
ロコモジラミは現在の日本で発生はほとんどなく、性交渉により陰毛に感染するケジラミと清潔にしていても集団生活など人と接触することで感染するアタマジラミが大半です。
シラミは毎日入浴する習慣がなかった昭和以前に流行っており、昭和20年後半にはかかる人が1人もいなかったといわれています。
このころには入浴の習慣もつき、下着や衣服を毎日取り換えて衛生観念が向上したことでシラミがいなくなったようです。
しかし欧米文化が進み、海外渡航や海外赴任などが当たり前のように増えてきた昭和後期から平成になってから、日本でもまたシラミが流行りはじめました。
現在では日本で年間30万人以上がシラミに感染しているといわれています。
清潔にしていてもシラミは移るものなので、シラミに感染したからといって不潔という意識は問題ですね。
自宅でも駆除はできるので、シラミに感染した場合は冷静に対応しましょう。
シラミの原因や感染経路は?
シラミは夏だから流行るとかではなく、年間を通していつでも感染する恐れがあります。
アタマジラミに感染している人の頭と頭がくっついたり、タオルや衣服を共用することで感染することが多いです。
集団発生を防ぐためにも日常的にタオルなどの共有を避けることも大切です。
また、頭髪を触ったからといってアタマジラミが感染することはありません。
人間に寄生するアタマジラミやケジラミなどはペットの動物に移ることはありませんし、動物から人間に移ることもありません。
また、アタマジラミは頭髪以外に、ケジラミが陰毛以外に感染することもありません。
シラミの駆除方法
シラミは動きが素早いので成虫を見つけるのは困難かと思います。
そのため、卵を探すのがいいですがフケと卵を見間違える場合も多いです。
卵は乳白色の長卵円形で光沢があり、つまんで引っ張っても頭髪にしっかりと固定されていて取れません。
卵または成虫を発見した場合は普通のクシで頭髪のほつれなどをとっておきます。
専用のブラシは普通のものより目の間隔が狭く、引っ張ってしまって痛がる可能性があるのでシラミの駆除をする前にクシ通りをよくしておきましょう。
そのあとにヘアオイルやベビーオイルを頭髪につけて専用のブラシで何度も丁寧に卵や成虫を取り除き、シラミ駆除シャンプーで洗髪してください。
頭髪のシラミを駆除しても枕カバーやシーツ、タオルにいる可能性があるので必ず洗濯しましょう。
55℃以上のお湯に5分以上漬けてから普段通りの洗濯をします。
シラミ駆除シャンプーを行う際に、1度目のシャンプーから2~3日置いてまたシラミ駆除シャンプーを使いましょう。
シラミの卵が孵化するのに1週間かかりますが、卵にシラミ駆除シャンプーはほとんど効きません。
そのため、取り残した卵が孵化する可能性があるので2~3日置いてから幼虫になるところを狙ってシラミ駆除シャンプーを行えばより効果的に全滅できます。
それでも取り残しがある可能性があるので2~3日置きに全部で3~4回行うと安心ですね。
また、薬剤も強く毎日シラミ駆除シャンプーを使うのも肌に悪いので、何日か置いてから使いましょう。
数回しか使わないといえど、幼児の頭髪に強い薬剤を使うのがためらわれるという方はお酢などでシラミの駆除ができます。
アトピーやアレルギーのある方は強い薬剤を使うのは難しいかもしれないので、お酢を入れたお湯に頭を漬けてクシで梳くとシラミの成虫や卵が出てきます。
まとめ
・シラミは清潔でも感染するが、不潔だとシラミが取り除きにくく長続きしたり集団感染に至る可能性がある。
・シラミを駆除したらシーツや衣服、タオルに落ちている可能性があるので必ず洗濯する。
・アトピーやアレルギーのある方にはお酢も効果的で低刺激。
アラサーに差し掛かった自分の周囲ではシラミは流行せず、昭和の感染症という意識がありました。
しかしその子供たちの間では流行っているので自分は体験していないことをいざ対応するとなると大変です。
そういった世代の方々は特に、事前にシラミってどういう虫なのか、駆除方法を知っておくことが大切ですね。