家の土台や柱を食べてしまう害虫として有名な「シロアリ」。
大群で生活し、あっという間に繁殖して被害が拡大してしまいます。
そんなシロアリの世界にも女王アリっているんですね。
女王アリと聞くと、部下に働かせて自分は何もせずただ椅子に座って過ごしている…というイメージでしょうか?
普通のシロアリたちは、一体どのようにして女王アリに仕えているのでしょうか?
彼らの世界はどのようにして成り立っているのでしょうか?
今回は、シロアリの種類、女王アリの特徴と寿命について解説していきます!
昆虫の世界は、もしかしたら人間の世界よりずっと能率的かも?と思ってしまうくらい、驚きがたくさんありますよ!
シロアリは「アリ」の仲間ではなかった!
これは意外な事実ですよね。
ではなぜ名前に「アリ」が入っているのかというと…
その形態や生活様式がアリに似ているから、だそうです。
「シロアリ」とは、ゴキブリやカマキリに近い昆虫の総称を指します。
日本では17種のシロアリが発見されています。
そのなかでも「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種が家に被害をもたらす害虫として知られています。
ヤマトシロアリは日本全国で、イエシロアリは東海より南に分布しています。
シロアリは群れで生活しており、その数はヤマトシロアリだと、数千~3万匹程度。
イエシロアリとなると、100万匹になることもあるため、家屋に住み着くとかなり速いペースで被害が拡大していきます。
多くのシロアリは野外にいて、森の落ち葉などを食べ分解してくれています。
でも一部のシロアリだけがなぜか、人間の家のほうへ遊びに来てしまうんですね…。
なぜシロアリの被害は深刻なものになってしまうのでしょう?
それは彼らのエネルギー源にあります。
シロアリが大好きな食べ物に樹木がありますが、その樹木の大部分はセルロースという成分です。
シロアリはこのセルロースからエネルギーを得ているため、家屋の木材がひどく食い荒らされてしまう、というわけなんですね。
自然界にはとっても役立っていて、どの昆虫も必要な存在なのは分かるけど…
私たちの家には入って来ないで~というのが本音ですね。
女王アリはどんな役割?
集団のなかのトップ、女王アリの役割は、一年を通して卵を産み続けることです。
ヤマトシロアリの女王アリの体長は11~15mm、王アリは7mm程です。
イエシロアリの女王アリの体長は30mmになることもあります。
集団のシロアリを見たら一発で分かりそうですね。
人間界では考えられない?シロアリの世界
シロアリとして生まれると、どんな生涯になるのでしょう?
彼らの世界には、細かく任務が分けられている階級のようなものがあります。
その役割はまるで、王族と彼らに仕えお城を守っている庶民のようです。
階級にはまず子孫を残す生殖階級があり、それが女王アリと王アリです。
その下に次の女王アリと王アリの候補がちゃんといます。
これは人間の社会と似ているところがありますね。
そして残りの約9割が働きアリと呼ばれる、職アリと兵アリに分けられます。
働きアリは巣を外敵から守ったり、食べ物の運搬、巣作り、幼虫の世話、掃除までもおこないます。
一緒に暮らしているみんなが快適な生活を送れるよう一生懸命働いてくれているのですね。
なんだかシロアリの群れが、1つの地域社会みたいに見えてしまうのは、私だけでしょうか…?
そして気になるシロアリの寿命はどのくらいなのでしょうか?
職アリは長くて、数年。
しかし女王や王アリとなると寿命は、10数年程に伸びます。
繁殖能力が高い個体が長生きするということは、それだけ子孫も多く残せるわけですね。
自然界は生命が途絶えることのないよう、本当によくできています。
まとめ
・シロアリとは、ゴキブリやカマキリに近い昆虫の総称のことであり、日本で害虫として知られているのは、ヤマトシロアリとイエシロアリである。
・女王アリは一年中、卵を産み続け、群れの数を増やしていく。
・シロアリには階級があり、女王アリ王アリ、その下に次の女王と王の候補、そして残り約90パーセントが働きアリである。
・働きアリの寿命は数年、女王アリや王アリは10数年となる。
女王アリは何もしないでのんびりしているのかと思いきや…ちゃんと卵を産むという使命を与えられていたのですね。
ちょっと女王アリに対するイメージが変わってしまいましたね。