コウガイビルはハンマーのような頭部が特徴的。
なめくじの天敵なので意外と都会でも見ることができます。
何よりも見た目が気持ち悪いので害虫と思われがち。
そんなコウガイビルってどんな生態なのでしょうか?
発生原因や駆除・対策法を併せてご紹介します。
コウガイビルの生態
コウガイビルは扁形動物のコウガイビル属に属する動物です。
ヒルは環形動物なのでコウガイビルとは異なります。
ヒルと比べて筋肉や神経系の発達が劣るため、ゆるゆると這うだけです。
しかし肉食のためミミズやなめくじ、カタツムリなどの身体に巻きついて、口吻を伸ばして肉を消化しつつ飲み込んでいきます。
オスメス胴体で、体長は10~30cmですが大きい物だと1mを超えるものも。
しかしどんなに体長があっても幅は1cm以上にはなりません。
厚みは数mmなので細長く平らな身体をしています。
扁形動物は一般的に海水や淡水で生息しているものがほとんどですが、コウガイビルは扁形動物のなかでも珍しく陸上で生活しています。
また、コウガイビルには主に「クロスジコウガイビル」「ミスジコウガイビル」「クロイロコウガイビル」の三種類が日本におり、都会で見るのは外来種であるミスジコウガイビルだそうです。
黄色い身体に3本の筋が入っているのが特徴です。
コウガイビルは扁形動物なので身体が千切られたり穴を開けられても後日再生することがあります。
2つに切れても両方から再生していくので分裂したことになります。
ミミズやなめくじ以上に乾燥に弱いため、湿った土壌や石の下、朽ちた木の中などの多湿なところに生息しています。
夜間に湿った場所を徘徊します。
コウガイビルはナイロン袋のなかで餌を与えない状態で385日生きた記録があるそうです。
コウガイビルは長期間の飢餓状態に耐えれる性質があり、もとの体重の1/100になっても生命活動を続けることが可能だとか。
また、高温すぎると水田などでコウガイビルが水浴びをすることがあるらしいです。
水浴びをしないことで溶けて消えてしまったとの記録もあるようです。
ミミズが道端で干からびているのはよく見ますが、都会でも多く見られるというコウガイビルの死体は見たことがない場合が多いのではないでしょうか。
つまり干からびる前に消えてしまうという驚きの変化をするようです。
コウガイビルの発生源・要因
コウガイビルが家のなかに入ってくる経路として考えられるのが排水口です。
コウガイビルは水がないと生きられないので、排水口以外の経路はないとされています。
特に常に多湿な風呂は最適環境なので湯舟の周りに潜んでいることもありますので、換気を心掛けましょう。
しかし窓が開いていると侵入される恐れがあるので、必ず網戸の状態で換気します。
なめくじが家に侵入してきてコウガイビルもついてきてしまう…ということもあるので家のなかの多湿なところには除湿剤などを置いておくといいですね。
雨が連日続いて、畑に囲まれている家でコウガイビルが連日何匹も侵入してきたケースもあるそうです。
そういったときのためにコウガイビルの発生源は知っておくと対処しやすいですね。
しかし、コウガイビルが家屋に侵入してくるのは珍しいことだそうです。
コウガイビルの駆除・対策法
コウガイビルは人間に害を与えることはありません。
ヒルではないので人間に吸血したりすることがりません。
コウガイビルを触ることで寄生虫が人体に移る危険性もありません。
なめくじなどを駆逐してくれるのでありがたい存在であります。
しかし見た目が不気味なのでできれば近くにいてほしくない…。
そういった場合はやはり餌となるミミズやなめくじ、カタツムリを減らすのが効果的な手段といえます。
また、乾燥に弱いのでプランターや石、朽ちた木などは周辺に置かない、日陰をなくすように植物を減らすなどの対応も考えられます。
コウガイビルを駆除したいときは千切ったりすると分裂して再生されるので、身体を傷つけるのは適切ではありません。
針などを指しても、刺された部分の穴を広げて脱出します。
そのため、割りばしでつまんで自宅から離れたところに逃がすとの対応がいいかと思います。
人間に対して無害であり、あまり出現率が高くない動物のため専用の駆除剤も販売されていないようです。
まとめ
・コウガイビルは扁形動物で、ヒルは環形動物なのでコウガイビルとは異なる。
・コウガイビルが家のなかに入ってくる経路として考えられるのが排水口。
・コウガイビルは人間に害を与えることはない。
高温だと消える、一年以上も飢餓状態に耐えられる、分裂して再生する…コウガイビルはものすごい神秘を秘めているのではないでしょうか?
ここ十年ほどヒルも見たことなければコウガイビルを見たこともないのですが、なんともわくわくする動物ですね。