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アブラナ科の野菜はご存知でしょうか?

いきなりアブラナ科と言われてもピンと来ない方のほうが多いかもしれません。

 

大人も子供も大好きな、トンカツやコロッケの付け合せには欠かせないキャベツ。

 

漬物にしてもキムチにしても美味しくて、冬のお鍋には絶対に欠かせない白菜。

 

茹でてマヨネーズをつけてそのままでも、サラダやスープの彩り役にもなって且つ美味しいブロッコリー。

 

ちょっと茹でて醤油を垂らすだけでも立派な食卓の1品になる小松菜。

 

などなど、私たちの日常で良く食べるアブラナ科の野菜たち。

 

でも、そんなアブラナ科の野菜を大好物とする、世界中で被害を出している害虫がいます。

 

その名も「コナガ」。

 

今回はこの「コナガ」についての生態や駆除方法、対策方法を調べてみました。

コナガとはどんな虫?

 

「コナガ」とは、成虫になると体長約10mmになる小さな蛾(が)で、

背中にひし形の模様があり、海外では「Diamondback moth」と呼ばれています。

 

ダイアモンド型の模様が背中にある蛾(mothとは蛾のこと)という意味になります。

 

漢字で書くと「小菜蛾」と書きます。

「菜っ葉に付く小さな蛾」であることからこの漢字になったようですね。

 

春~夏に活動が活発になり、卵から成虫までの発育必要期間は2~3週間で、成虫の寿命は1~2週間だそうです。

 

暖かいと卵から成虫になるまでの発育必要期間が短くなり、寒いと発育必要期間は長くなることが判明しています。

 

コナガは寒さにはあまり強くありませんが、豪雪地域でなければ一年中活動することが可能です。

 

また、最近はハウス栽培などで暖かい状況を人工的に作り、通年でたくさんの野菜が楽しめるようになっており、コナガも一年中広域で活動しているようです。

 

コナガは世界中の農家さんを困らせている厄介な害虫です。

その原因として、コナガは薬剤に対しての抵抗性がとても高いことが挙げられます。

 

最初のうちは薬剤の効果がありますが、同じ薬剤を使い続けるとすぐに抵抗性を持ち、その薬剤が効果を出さなくなってしまいます。

 

また、繁殖力も高く、暖かい地域であれば1年間で10回以上も「卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫」のサイクルを繰り返し、その度に数を増やしていきます。

 

つまり、野菜を守るためにしっかり農薬を散布したとしても、コナガは生き残ることが出来て、どんどんと数を増やし、食害の被害を与え続けてしまうということです。

 

コナガの幼虫は柔らかい新芽や葉っぱを食害します。

 

新芽を食べられるとその後の作物が育ちません。

 

葉っぱを食べられた場合も、その後光合成が出来なくなり成長が止まってしまい、病気にもかかりやすくなってしまいます。

コナガの発生原因と対策

 


 

薬剤の抵抗性も強く、繁殖力もあり、作物に与える被害が大きい害虫であるコナガ。

 

どうすればコナガからの被害を止められるのでしょうか。

 

まずはコナガが作物に寄り付かないような対策が必要となります。

 

作物ではない雑草の中にもアブラナ科の植物があるため、作物を育てる前からコナガが周囲にいる状況も考えられます。

 

そのため、作物を育てる前に、まずは周りの雑草の駆除を徹底して行うことが大切になります。

 

次に、手間はかかってしまいますが、網目の細かいネットでコナガの成虫が卵を産みつけることを防ぐことも効果があります。

 

しかし、ネットをつける前にすでに卵が植えつけられていたり、成虫が紛れ込んでしまうと効果は発揮できません。

 

また、ほんの少しでも穴が開いているとそこからコナガが入り込んでしまう恐れがありますので、注意して取り付けることが大切です。

 

コナガの嫌がる植物を近くに植えるコンパニオンプランツも効果がありそうです。

 

コナガは、レタスや春菊などのキク科、にんじんやセロリ、パクチーなどのセリ科の香りが苦手と言われていますので、これらの野菜を近くに植えるのも良いでしょう。

 

またクローバーは、ゴミムシやクモなどの、コナガを捕食してくれる益虫が好む植物なので、クローバーを近くに植えることも効果が見込めます。

コナガの駆除方法

 

コナガは葉の裏側に産卵します。

 

小さな蛾が作物の近くを飛んでいた場合、作物の葉の裏を見て卵があればすぐに取り除いてすり潰しましょう。

幼虫がいれば捕殺してしまいましょう。

 

しかし、卵をすり潰したり、幼虫を捕殺することに抵抗がある方もいらっしゃると思います。

 

コナガを捕食してくれる、ゴミムシやクモなどの益虫を駆除しないように農薬を使用することで、益虫がコナガを駆除してくれます。

 

また、コナガの幼虫も成虫も水に弱いという性質があります。

定期的に散水し、水を浴びせることでコナガの成虫も幼虫も駆除できます。

 

ただし、水をかけすぎてしまうと作物がダメになってしまう恐れがあるので、注意して下さい。

 

それでもコナガの被害が続いてしまうようであれば、コナガに効果のある蝶類専用の農薬や、除虫菊を主成分にしている薬剤を散布しましょう。

 

コナガは薬剤の抵抗性が強いため、同じ薬剤を使用し続けると、その薬剤の効果が無くなってしまうので、何種類かの農薬をローテーションして使用すると薬剤の効果が長続きするようです。

 

コナガの特徴と駆除法まとめ

 

・コナガは「小菜蛾」と書き、菜っ葉につく小さな蛾です。

 

・年中活動しているが、寒さに弱く、暖かいと活動が盛んになる。

 

・薬剤への抵抗性が非常に高く、繁殖力も強い。

 

・コナガの対策としては、作物の周りの雑草を駆除し、網目の細かいネットをつける。

 

・コナガがの嫌がる、キク科、セリ科の野菜を近くに植える。

 

・クローバーを近くに植えることで、コナガを捕食してくれるゴミムシやクモなどの益虫を呼び込む。

 

・コナガが発生してしまった場合は、直接駆除をするか、定期的な散水、益虫を駆除しないように気を付けて農薬を散布することが効果的である。

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