常に土の中で生活しているので普段は中々目にすることが少ないモグラ。
そのモグラが庭に入り込んでしまうと、家庭菜園の畑や芝生が荒らされてしまいます。
ですがモグラはミミズや昆虫を主に食し、植物や野菜は食べません。
ではなぜモグラのせいで畑が荒らされてしまうのか?
モグラがもたらす被害と庭に寄り付かないようにする対策、捕獲するための方法を教えます!
モグラの生態・特徴
まずはモグラについてどんな生態なのかを簡単に解説します。
モグラはご存じのとおり、土中に穴を掘って一生を土の中で過ごします。
主に土の中にいるミミズや昆虫を食べます。
モグラの掘る穴には常に行き来する「本道」と
たまにしか使わない・エサを探すために掘る「支道」の2種類あります。
基本モグラは巣に一匹で行動し、別のモグラが巣に入り込むと攻撃して追い返します。
視力はほとんど見えず、わずかに光を感じられる程度。
代わりに嗅覚と聴覚が強く発達しています。
よくモグラは日光に当たると死ぬと言われていますが、それは間違いです。
確かにまれにモグラが地表で死んでいるケースがありますが、それは日光によるものではなく、
「常に何かが体に触れていないとパニックを起こす」習性と
「お腹に12時間以上食べ物がない場合は餓死してしまう」という特徴によるもの。
つまり、うっかり地表に出てきてしまったばかりにいつもは体に触れている物がなくパニックになると同時に、
急激な温度変化によって身体が弱り土に戻れなくなった結果食べ物が取れずに餓死してしまう・・・。
というものがモグラが地表で死んでしまう1つの理由(仮説)です。
常に土で生活しているので冬眠しそうなイメージもありますが、モグラは冬になっても冬眠はせず元気に活動しています。
また、かわいらしい見た目とは裏腹に結構攻撃的なので、
ふざけてモグラの巣穴に手を突っ込んだりしていると噛みついてきたりもするので注意してください。
モグラによってもたらされる被害
モグラが庭に入ってしまうと庭でやっている家庭菜園の畑に悪影響を及ぼし、芝生がモグラ塚などで荒らされてしまいます。
芝生が荒らされてしまうのは納得できますが、なぜミミズや昆虫しか食べないモグラが畑をダメにしてしまうのでしょうか?
それは、モグラが畑の近くに穴を掘ることによってこんな影響があるからなんです。
・作物の下に穴を掘ることで根を傷つけてしまい、上手く土の養分を吸えなくなった作物が結果的に枯れてしまう
・モグラが掘ったトンネルをネズミが利用し、畑の作物に食害をもたらす
・水田の場合は堤防などに穴を空けて水を抜いてしまう
などなど、農作物への被害は一見モグラとは関係なさそうですが、
実はモグラのせいでかなり深刻な被害になりえることが伺えます。
庭の畑の作物の育ちが悪い・芝生にいくつか盛り土のようなものがあるという場合は、
モグラによるものと判断しても良いでしょう。
家庭菜園を行っていないとしても、
モグラの穴を利用してネズミが家に近づく可能性もありますので早急に対策をしなくてはいけません。
モグラの多くは絶滅危惧種
モグラが庭に入り込んだ場合はすぐに対策をしたいところですが、
現在日本では亜種を除き確認されているモグラは7種類。(日本固有種は6種類)
なんとその内の4種類は絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。
また、鳥獣保護法によって個人が勝手にモグラを捕獲・駆除することは法律で禁止されています。
違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科せられる可能性があります。
まずモグラの捕獲をする場合はお住まいの各自治体に連絡をして許可を取る必要があり、
また、数種類は絶滅危惧種なのでできれば生きたまま捕獲し適切な場所に返してあげるのが理想的です。
その返す場所にも生態系が変わらないように捕獲場所からなるべく近くの場所だったり、
他の人の迷惑にならない場所、堤防に穴をあけて水を抜かない場所など、様々な方向での配慮が必要です。
モグラの忌避グッズを紹介
モグラを捕まえるのにそんなにリスクがあるなら、せめて庭から追い出したいですよね。
モグラを庭から追い出すのに有効な忌避グッズを紹介します^^
①モグラの嗅覚を利用した忌避剤
モグラは嗅覚が非常に発達しているので、苦手なニオイをだす忌避剤で庭への侵入を防ぎます。
こちらの忌避剤は錠剤タイプで土に入れたら自然に無くなるのでそのままにしておけばOKというお手軽さ。
ですが作物の近くに入れると枯らしてしまう可能性があるので、埋める場所には注意しなくてはいけません。
(必ずモグラの巣の「本道」を見つけてその中に投入しましょう)
こちらの忌避剤は作物の近くに投入しても無害なタイプ。
3年効果が続くとコスパ的に優秀ですが、上記の忌避剤と比べると若干効果が弱い・雨の影響で効果が薄まる可能性があります。
(こちらもモグラの巣の本道に投入しましょう)
②モグラの聴覚を利用した忌避剤
モグラの鋭い聴覚に着目した超音波を発する忌避グッズです。
モグラの本道を探す必要もなく地面に刺すだけで、モグラやネズミなどの侵入を阻止できます。
ソーラー電池式なので電池の入れ替えも不要。
これなら作物への影響も無く安心ですよね。
デメリットとしては少し値段が高価という点です。
さいごに
貴重な生物でもあるモグラの対処はある意味他の害獣と比べるとかなりやりにくいですが、
日本の生態系を維持するためと理解して、なるべく殺してしまわないように配慮したいですね。