梅雨時期から7月中旬にかけて旬になるさくらんぼ。
かわいらしい見た目から、庭木としても人気がありますね。
さくらんぼは何といってもそのツヤツヤとした美しい見た目が取り柄。
家庭菜園でつくっていてもできる限り美しい品質を保ちたいですが害虫被害が…。
さくらんぼにはどういった害虫がつきやすいのでしょうか?
害虫の生態や駆除・対策方法をご紹介します。
さくらんぼにつく害虫の生態
さくらんぼには「グンバイムシ」「ハマキムシ」「コスカシバ」「コウモリガ」「オビカレハ」といった害虫がつきやすいです。
「グンバイムシ」は体長3~5mmほどの害虫で、葉に寄生して吸汁をします。
春先にグンバイムシの被害が起こりやすく、吸汁することで葉の表面に白い斑点があらわれます。
しかしグンバイムシに寄生されてもさくらんぼが枯れるほどの被害に至ることはほとんどありません。
「ハマキムシ」は体長20~25mm程度のハマキガ科の幼虫です。
柔らかい葉は巻き、硬い葉は糸で2~3枚合わせた中に潜む性質があります。
葉や新芽、つぼみ、果実の表面を食害していくのでハマキムシが大量発生すると生育不良に陥ったり、品質が低下して収穫できない場合があります。
また、葉を巻くだけでも光合成を阻害するので育成不良などの被害が起こります。
ハマキムシは夜行性で光に惹かれる性質があるので、さくらんぼの近くに電気があると産卵されやすくなります。
「コスカシバ」は体長25mmほどの蛾で、4月下旬から6月上旬にかけて、樹皮に産卵します。
幼虫は樹皮の内側に潜りこんで内部を食い荒らしてしまいます。
そのため殺虫剤が効きにくく、幼虫は捕殺するのが効果的だそうです。
食害されると樹木が枯れてしまう恐れがあります。
コスカシバによって食害された傷跡が原因となり、樹脂病や胴枯病を併発する恐れがあります。
「コウモリガ」は体長50~80mmほどの幼虫が樹木を食害します。
樹木の内部を食害し、トンネル状に空洞化させます。
幼虫が侵入した入り口には糞でつくった袋状のものがついています。
卵は地表面で越冬するため、樹木の根元の雑草は取り除いて風通しをよくすることで被害を防ぎやすくなります。
「オビカレハ」は成虫は体長30~45mmほどですが、幼虫は60mmを超えるものもいます。
水色の身体にオレンジ色の線が入っています。
若齢では糸をテント状に張って集団で過ごしますが、老熟すると分散して生活します。
オビカレハの小枝などを螺旋状に取り囲むように卵を産み付けます。
オビカレハの幼虫は毛虫ですが毒性はないそうです。
害虫の駆除・対策方法
さくらんぼにつく害虫は個性的な性質を持っているものが多いです。
コウモリガは捕殺するのが定番で、糞で蓋のされている入り口を取り除いたら針金を差し入れて突いて駆除をします。
オビカレハはテント状に張られた糸を枝ごと切り落として焼いてしまうのが効果的なようです。
毒性はありませんが、ゴム手袋をして作業をすると安心ですね。
その他も体長が大きい害虫が多いので、比較的捕殺するのが簡単なようです。
さくらんぼ園では薬剤を使用して害虫の駆除・予防を行っていることが多いですが、家庭菜園などの場合は捕殺していくのがお財布にも優しいです。
そのため大量発生する前に駆除・対策をするのが効果的ですね。
さくらんぼにつく害虫は樹木に寄生してしまうものが多いため、葉や果実だけではなく幹や枝の部分も確認しましょう。
樹木に被害があった場合は枝を切り落としてしまったり、幹の部分であれば割れ目から薬剤「スミチオン乳剤」を流しこんだり、ゴム製のハンマーと剪定ハサミを使って幼虫を捕殺します。
駆除後は「トップジンMペースト」という薬剤で樹木の傷口を塞ぎ、滅菌剤を塗るといいそうです。
粘度で傷口を塞いでしまうのも効果的です。
まとめ
・さくらんぼには「グンバイムシ」「ハマキムシ」「コスカシバ」「コウモリガ」「オビカレハ」といった害虫がつきやすい。
・さくらんぼにつく害虫は樹木に寄生してしまうものが多いため、葉や果実だけではなく幹や枝の部分も確認。
・樹木の内部に被害があった場合は駆除後に薬剤や粘度で傷口を塞いであげる。
樹木の内部が食害されてしまうと手間はかかりますが、大事な樹木を守るために幼虫を取り除いてしっかり傷口を塞いであげましょう。
比較的、体長の大きい害虫が多いので防虫ネットや不織布シートなども大活躍しそうですね。
風通しの良い場所にさくらんぼがあると比較的害虫被害が少なくなる傾向にあるようなので、さくらんぼは風通しがよく、近くに電気のないところで育てるのが理想ですね。