家の流しや床の上に虫の羽が散乱していたことはありませんか?
見ていると肌がゾワゾワしてくる気色悪さですね。
それはひょっとしたら、シロアリの成虫の落としていった羽かも知れません。
羽アリはシロアリの成虫なので、羽アリの羽が家にあるということは、シロアリが家にいるということです。
襖や窓ガラスを開け閉めするときに立て付けが悪くなっていたり、床を踏んだときに浮き沈みしたりするようになったら要注意です。
さらに家の柱や梁などの木材の割れ目に、土が詰まっていたらほぼ確定です。それは蟻土(ぎど)と呼ばれるシロアリが作った通り道です。
木材が食い荒らされたら、いつか家が倒壊するかもしれません。
それは断固として避けたいですね。
どうしてシロアリが家に寄ってくるのかご存じでしょうか?
まずシロアリがどういう生活をしていて何を餌にするのかご紹介しましょう。
シロアリはアリと付いても蟻ではない
シロアリは昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科に属しています。
昆虫の蟻は、昆虫綱ハチ目スズメバチ上科アリ科に属する蜂に近い昆虫です。
実はシロアリは名前にアリと入っていますが、蟻とはまったく違う昆虫でした。どちらかというとゴキブリに近い生態を持つ昆虫なのです。
ゴキブリは家に寄ってきて何でも食べてしまいますが、シロアリもプラスチックや肉片など割と節操なく何でも食べてしまう暴食な一面を持ちます。
そう考えると少し、蟻とはかけ離れた昆虫だというのもわかる気がしますね。
シロアリはセルロースを求めて活動する
シロアリといえば家の柱や基礎の部分など、大切なところを支える木材を食い荒らす害虫として有名ですね。
薄暗い場所にある湿気を含んだ木材が特に狙われます。
シロアリの一番の好物は松の枯れ木ですが、主にセルロースという成分を求めて、生きるために食事していることが確認されています。
腸内に共生する原生生物が消化分解を助けているため、効率よく栄養を得ることができるというわけです。
そしてこの原生生物はシロアリの中でしか生きていけません。セルロースを完全に分解できる昆虫は実はシロアリだけだと言われていますが、その理由の一部がここにあります。
枯れ木には特にセルロースが多いのでシロアリがよってきます。
そして家の木材はすでに樹木ではなく、ある意味では死んだ「枯れ木」ともいえるので、条件がそろえばシロアリがよってくるというわけです。
特に湿気の多い暗い場所の枯れ木が狙われるので、壁の中の柱や床下の基礎が食い荒らされやすいのも納得ですね。
水場の周囲や雨漏りにも注意が必要です。
シロアリが食べるのは木材だけではない
ではシロアリは木材にだけ気をつければいいのかというと、そうではありません。
驚くことにコンクリートや電気ケーブルも食べることがあります。
実は行く先に餌があれば、コンクリートぐらいの障害物でもかみ砕いてシロアリは進んでいってしまいます。噛む力がとても強いのです。
またコンクリートは堅いので身を守るにもいい場所なのです。
木材だけでなく断熱材も種類によってはシロアリの好物です。
防蟻剤が含まれている断熱材ならシロアリが捕食したときに駆除することができますが、そうでない断熱材は場合によってはかえって家を腐食させる原因にもなります。
家を建てるとき、断熱材選びも慎重にしたいですね。
餌があれば土の中からどこまでも侵入してしまいます。
シロアリの発生を防ぐ方法
コンクリートまで突き破ってしまうならシロアリはどうしようもないのでしょうか。
シロアリは日光や紫外線に弱く、強い日差しに当たっただけで死滅してしまうこともあります。
暗く湿気を含んだ場所に餌があるとシロアリをおびき寄せてしまうので、できるだけ通気性のある乾燥した環境を作ることが大切です。
土から成長した羽アリがやってきて新たなコロニーを作るので、土から家の間に餌となる物体を放置しないことも大切です。
プラスチックやゴムやありとあらゆるものが食い荒らす対象になります。近くに枯れ木や切り株などがあれば余計におびき寄せてしまう原因になります。
庭や家の周囲にものを放置しないようこまめな整理が大切です。
まとめ
-
シロアリはアリと付いても蟻ではなく、ゴキブリに近い昆虫。
-
シロアリはセルロースを求めて枯れ木に集まりやすい。
-
シロアリは木材だけではなくコンクリートなども食い荒らす。
-
予防には湿気を避けることと餌になるものを放置しないことが大切。
みんなの悩みの種のシロアリですが、生態を知れば対策もしやすいです。
小さいからと甘く見ないで日頃から気をつけましょう。
ちなみに、既にシロアリが家や庭に発生してしまっている場合は
シロアリ駆除専門サービスで早急に駆除を行いましょう。