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最近では家庭菜園をされている方が増えてきましたね。
都内で農地のレンタルサービスが使えたり、プランターを使ってベランダで育てるなど手軽に育てる環境があるからだと思います。

自分で育てた野菜は格別に美味しいですよね。

でも、野菜を育てるのはそんなに簡単ではありません。

強風や大雨などの天候の影響を受けたり、暑すぎる夏や寒すぎる冬などの気候の影響も野菜の生育を大きく左右します。

そんな中でも、何よりも困ってしまうのは害虫の被害ではないでしょうか。

今回は、そんな害虫の中から特にアブラナ科の野菜を食害するアオムシの発生原因や駆除方法・対策について調べてみました。

アオムシとは

アオムシとは、生物学的に定義されているものでは無くその区分は曖昧です。
蝶の幼虫のうち体が毛に覆われておらず、体の色が緑色の虫を指します。

シロチョウ科の蝶の幼虫がアオムシと呼ばれることが多いですね。

家庭菜園をしていてアオムシの被害がでた場合は、シロチョウ科のモンシロチョウの幼虫であることが多いと思われます。

モンシロチョウの幼虫はアブラナ科の野菜(キャベツ・白菜・ブロッコリー・大根など)を好んで食害します。

モンシロチョウは、1匹の雌の成虫が生涯で300~400個の卵を野菜の葉っぱの裏に産み付けます。

卵は1週間ほどで孵化し、生まれたばかりの幼虫は最初は淡い黄色の体ですが、葉っぱを食べることで緑色に変わっていきます。

モンシロチョウの幼虫(アオムシ)は体長が約3cmと小さいながらも食欲は旺盛で、放っておくと野菜の葉っぱを葉脈以外全て食べられてしまう恐れがあります。

食害された野菜は葉っぱが穴だらけになってしまい、光合成ができなくなります。
そのため、成長が止まってしまったり、病気にかかってしまいます。

幼虫期間は約20日間で、その後蛹(さなぎ)となり、10日程度で成虫になります。

モンシロチョウが野菜の近くを飛んでいるのを見た場合は、産卵されている可能性が高いので、葉っぱの裏を見てみましょう。

モンシロチョウの卵は黄色やオレンジ色に近い色なので、分かりやすいと思います。

アオムシの駆除方法

見つけ次第捕殺する

アオムシを駆除する方法として一番有効なものは、直接見つけて捕殺することです。

卵を見つけた場合は葉っぱを指ではさんですり潰してください。
手で払って葉っぱから卵を落とすだけだと、そのまま孵化してしまう恐れがあります。

幼虫を見つけた場合は、直接手やピンセットで取って捕殺してしまいましょう。

BT剤を使う

卵をすり潰したり、幼虫を直接捕殺することに抵抗がある方もいらっしゃると思います。
その場合は、BT剤という農薬を使用することでアオムシを駆除できます。

BT剤とは生物農薬の一種で、バチルス・チューリンゲンシス(BT)という細菌が害虫の体内に入ることで反応を起こし、害虫を死亡させます。

BT剤は人間に対しては無害で安心性が高いことが特徴ですが、散布後は比較的早めに効果が消失してしまうため、予防としてではなく駆除のために使用することが望ましいと思います。

益虫に頼る

無農薬栽培や有機栽培をされている方は、益虫に頼ってみると良いかもしれません。

益虫とは、害虫を食べたり追い払ってくれたり、人類にとって役に立つ虫のことです。

アオムシに対する益虫としては、アオムシコマユバチという蜂の仲間がいて、この蜂はアオムシの体内に卵を産みつけ、アオムシの体内で孵化し、アオムシを中から食い破ります。

しかし、アオムシコマユバチは、アオムシの野菜への食べ痕からアオムシの居場所を特定し、卵を産みつけます。

卵も孵化するまで時間がかかるため、アオムシの野菜への被害が完全に無くなるわけではありません。

ですが、アオムシコマユバチはアオムシをやっつけてくれる益虫ですので、野菜の周りに小さなハエのような虫が飛んでいても駆除せずにそのままにしてあげてください。

アオムシの対策

作物を育てるにあたり、害虫駆除ももちろん大切ですが、何よりもまずは害虫を寄せ付けない、事前の対策が肝心です。

作物にネットをかける

アオムシ対策としてまず最初に思いつくことと言えば、ネットでの対策ではないでしょうか。

作物にネットをかけてモンシロチョウを近付けさせず、卵を産卵させないことでアオムシの発生を防ぎます。

ただし、ネットをかける前に既に卵が産み付けられているといけません!

ネットを付ける前にしっかりと確認をするか、作物が大きくなる前にネットを設置することをオススメいたします。

また、ネットに隙間があるとその隙間からモンシロチョウが侵入する恐れがあります。

風が強い日の翌日などは、ネットがずれていないか確認した方が良いかもしれません。

コンパニオンプランツ

育てている野菜の量が多く、ネット対策は大変であるという場合は、コンパニオンプランツという方法があります。

コンパニオンプランツとは、育てたい野菜の近くに一緒に植えることで、良い影響をもたらす植物のことを言います。

アオムシが好むアブラナ科の野菜のコンパニオンプランツで、一番効果があると言われているのはレタスです。

つまり、キャベツや大根などを育てるときは、一緒にレタスも育てることで、モンシロチョウを近付けず卵を産ませないように出来ます。

ただし、レタスの方がキャベツより早く収穫時期を迎えてしまい、その後モンシロチョウに産卵されてしまう可能性がありますので、ご注意ください。

無農薬栽培や有機栽培にこだわりがないようであれば、早い段階で農薬を散布してしまえば高い効果が得られると思います。

まとめ

  • アオムシとは、蝶の幼虫のうち体が毛に覆われておらず、体の色が緑色の虫のこと。
  • シロチョウ科の幼虫が特にアオムシと呼ばれる。
  • 家庭菜園でのアオムシの被害は、ほぼモンシロチョウの幼虫であると考えてよい。
  • 卵や幼虫を見つけたら直接捕殺するのが良い。
  • 数が多い場合や、直接卵や幼虫に触れるのに抵抗がある場合は、BT剤という農薬の散布が幼虫駆除に効果がある。
  • モンシロチョウを野菜に近付けさせない対策が大切で、ネットをつけたり、コンパニオンプランツであるレタスを一緒に育てることが対策となる。
  • 無農薬栽培や有機栽培にこだわりが無ければ、早期の農薬散布が防虫対策として効果が高い。
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