適当に種をまいてもレタスはすくすくと育ってくれるので家庭菜園でも人気です。
葉物野菜はできるだけ薬剤を使わずに育てたいですが、害虫被害は受けやすそうですね。
薬剤を使わなくても害虫被害は防げるのでしょうか?
また、どんな害虫がつきやすいのでしょうか?
レタスにつきやすい害虫の生態や駆除・対策をご紹介します。
レタスにつきやすい害虫
レタスには「ナモグリバエ」「ネキリムシ」「ヒメフタテンヨコバイ」「アブラムシ」「なめくじ」「ヨトウムシ」といった害虫がつきやすいです。
「ナモグリバエ」は体長1.7~2.5mmほどのハエの一種で日本全土にみられます。
周辺の植物などから飛来してレタスに住み着きます。
特に夏は土壌が乾燥し、益虫が減るのでナモグリバエが活発に動きます。
ナモグリバエの成虫は花の蜜や腐った果実を餌としますが、幼虫はアブラナ科・マメ科・キク科などの葉を穿孔して食害します。
葉の内部のみを食べるので、食害痕は白い線状の模様が残ります。
そのため被害を放置すると光合成が阻害されて生育不良に陥ります。
「ネキリムシ」は体長40mmほどで、昼間は土壌に潜っている夜行性です。
ネキリムシの被害に合うと、苗が地ぎわで噛み切られたり、切られた葉などが土の中に引きずりこまれたりします。
雑食性なのでなんでも食べますが、近くに餌がないと発芽したばかりの苗なども食害されるので、雑草がある状態であればネキリムシが苗を食べてしまうことを防ぎやすいです。
「ヒメフタテンヨコバイ」は体長3mmほど、成虫は雑草などで越冬します。
8~9月ころが最も活動的になります。
若い葉の裏に寄生して吸汁します。
同時に甘露を排泄するので「すす病」の原因にもなり、病原のファイトプラズマを媒介します。
レタスに対しては萎縮病を発病させることもあります。
吸汁されると白い斑点状の吸汁痕が残り、多発すると葉の機能を失います。
稀に人に刺して痒みや発赤を与えます。
「アブラムシ」は体長2~4mmほどの虫でさまざまな野菜などに寄生しています。
1年中発生しますが、3~11月ころの少雨時期に特に活発になります。
アブラムシは吸汁をしますが、それでミニトマトが萎えたり枯れたりすることはありません。
しかしさまざまなウイルスを媒介することから厄介者とされています。
アブラムシを放置するとアブラムシから出た甘露にアリが集ったり、「すす病」の発生原因にもなります。
窒素成分の多い肥料を使っている野菜などに惹かれて飛んでくる傾向があります。
「なめくじ」は草食性でさまざまな植物を食害します。
湿気があるところを好む性質があり、なめくじは通り道に粘液を残します。
葉や花、新芽などの柔らかい部分を食害するので葉などに穴があきます。
直接的に病原を誘発させたり媒介させることはありませんが、放置しておくと食べつくされてしまうので対策が必要です。
「ヨトウムシ」は体長は最大4~5cmになります。
飛来して卵をミニトマトの葉に植え付けて繁殖します。
葉の表皮と葉脈は食べ残し、柔らかい葉肉部だけを食べます。
ヨトウムシを放置しておくと新芽も食べてしまうので植物の成長が止まってしまいます。
枯れた植物にも他の害虫や病気がわくリスクが増すため、枯れたからといって放置するのは適切ではありません。
害虫駆除・対策
被害が大きいと薬剤に頼るのも被害拡大を防ぐひとつの手になります。
ナモグリバエとアブラムシにはアクタラ粒剤5、ネキリムシにはネキリエースK、ヒメフタテンヨコバイにはジュリボフロアブル、なめくじにはGFオルトラン粒剤、ヨトウムシにはオルトラン水和剤などがおすすめです。
できれば益虫は残しておくのが理想なので忌避剤が入っている場合は益虫まで逃げてしまう恐れがあります。
薬剤を使いたくない場合や被害が軽度な場合は、被害があった部分を摘み取って破棄するのが効果的です。
なめくじにはビールで溺死させたり牛乳を薄めたものをスプレーするだけでも効果があります。
粘着テープを貼った罠を仕掛けておくとなめくじがよく獲れ、他の小さな害虫も捕獲することができます。
なめくじは大きく、大量発生するわけではないので見つけ次第割りばしなどで獲って破棄していくのもおすすめです。
夜行性の害虫に対しては夜見回りするのは難しいと思うので罠を貼っておくといいですね。
もしくは他の雑草などを近くに置いて好物を置いておけばそちらに誘導することも可能です。
まとめ
虫が食べるレタスは人間が食べても美味しいとはよくいいますが、下処理をする段階で、できれば虫がいない状態が好ましいですね。
葉を直接食べるので薬剤もできるだけ使いたくない…。
薬剤だけではなく、罠や誘導も効果的なのでぜひ試してみてください。