子どもの頃に遠足や散歩に行ったとき、どんぐり拾ったことありませんか?
私はあります。
それにまつわるエピソードを一つお話しします。
あれは幼稚園児の頃ですが、ポケットいっぱいにキレイなどんぐりを拾ってきて宝物として箱にしまいました。
数日経って親から「取っておくの?」と聞かれて「捨てちゃだめ」と答えました。
そこまでは良かったものの後で悲劇が起こります。
箱の中からうじゃうじゃと白い幼虫が大量発生していたそうです。
そのどんぐりたちは、私が存在を忘れて寝ている隙にこっそりと捨てられたのでした。
どんぐりってクリスマスリースの飾りに付いている物やおもちゃのコマに加工された物は、虫が湧いてくることなんてありませんよね?
工作に使われる物は特に虫食いの穴もないキレイな実が使われます。
今回はどうして虫が湧いて来るのか、どうすれば駆除できるのかをご紹介します。
無傷のどんぐりから虫が出るのはなぜ?
あの虫はどこから来た、なんという虫でしょうか。
白い幼虫ですが蛆虫(蠅の幼虫)よりは大きく太っています。あれは「シギゾウムシ」の仲間の虫の幼虫です。シギゾウムシは何種類もいますが、食べられる栗などにもよく入っていますね。
見た目は無傷に見えるのに中にどうやって入ったんでしょう? 出てきた穴一つしかなくて、不思議ですよね。
これは、まだ実が青くて柔らかいうちに成虫が小さな穴を開けて産卵して、どんぐりが成長するうちに穴が自然治癒力で塞がってしまうからです。
見た目はキレイでも、すでに幼虫が入っていて食事中ということもあり得るので、ほぼ見た目だけでは分かりません。
他にも野山に生えているどんぐりの実には、小さな虫やばい菌が潜んでいることがあります。
持って帰るなら、虫の駆除やそれなりの殺菌消毒をしておきたいですね。
どんぐりを殺虫する方法
鍋で煮る
普通の調理用の鍋で大丈夫です。普段の料理に使う鍋では抵抗があるなら、100円ショップで売っているものでも十分です。取っ手のついたアルミボウルなどでも代用できます。
鍋にどんぐりを入れて、鍋半分以上は水を入れてからコンロにかけて沸騰させます。なお、この時に沈まずに水に浮いているどんぐりは、すでに虫食いだったり古かったりするのでこの段階で捨てておくのも手です。
お湯になってからどんぐりを入れると温度差で殻が割れやすくなるので、水の時から入れた方がいいでしょう。どんぐりの帽子もあるなら一緒に煮ます。
どんぐりの大きさにもよりますが、沸騰してから5分ぐらい煮ておけば虫やばい菌は駆除できます。10分以上煮ると殻の破損の原因になるので、あまり煮すぎないように注意です。
お湯を切ったら冷たい水にさらしたくなりますが、これも殻が割れる原因になるのでこのまま乾燥させます。
下に新聞紙などの濡れても大丈夫なものを敷いて並べたら、直射日光の当たらない風通しのいい日陰で2・3日乾かせば完成です。箱やトレーの中に並べれば持ち運びも簡単です。
急速に熱して乾かしたり直射日光に当てるのは、これもやはり殻の破損の原因になるので気長に待ちます。乾かし足りないとカビの原因になります。
冷凍庫で低温殺菌する
別の方法として冷凍保存する方法もあります。
ザルにあけて水道水で洗うなどして、拾ったどんぐりの表面を水洗いしておきます。
新聞紙などで水気を拭いてきれいにしたら、ビニール袋やジプロックに入れて封をしてから冷凍庫に保存します。食料品と間違えないようにマジックで字を書いたり、シールを貼るなどして容器に目印をつけます。
そのまま一週間から十日ほど凍らせれば虫もばい菌も駆除できます。
出した後は水道水などで溶かしたくなりますが、これも急にやると殻が割れる原因になるので自然解凍させましょう。
取り出したら風通しのいい日陰で2・3日乾かせば完成です。これも乾かし足りないとカビの原因になります。
保存するならニスを塗るとより良い
おもちゃのコマを作ったり工作に使うなら、乾いた後にニスを塗ると良いです。
艶も出てキレイになる上に殺菌効果が上がって防湿効果も得られるので、長期保存するならやっておくのがおすすめです。
ホームセンターのほかには100円ショップなどでも最近は売られているので、用途に合ったものを選びましょう。
ニスは工作にも使えるので、ぜひお試しください。
どんぐりに帽子をかぶせて保存するなら木工ボンドで貼るのがおすすめです。
まとめ
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無傷のどんぐりから虫が出るのは、実が柔らかい頃に産卵で開けられた穴が成長する間に治癒するから
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どんぐりを殺虫する方法としては、鍋で煮るか冷凍保存をして乾かすのがおすすめ
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長期保存するならニスを塗ると、より殺菌できて除湿効果もある
子どもが持って帰るどんぐりも、秋の思い出です。
一工夫すれば虫も怖くないですね。