みなさまはシギゾウムシという虫を知っていますか?
シギゾウムシは栗やどんぐりに寄生する虫だそうです。
名前は初耳でも栗やどんぐりには虫がいるっていうことを知っている人は多いのではないでしょうか。
そんなシギゾウムシはどんな虫なのか、生態や駆除方法などをご紹介します。
シギゾウムシの生態
シギゾウムシとは鞘翅目ゾウムシ科シギゾウムシ亜科に属する甲虫のことです。
日本では52種類おり、世界ではおよそ500種類が知られています。
大きさは5.5~10mm程度の小さな虫です。
身体はひし形、半球型の頭部、くちばしのように長く伸びた口吻が特徴的な虫です。
その長い口先で穴を掘り、そこに産卵管を差し込んで卵を意味ます。
日本でよく見るシギソウムシは「クリシギゾウムシ」「コナラシギゾウムシ」「ツバキシギゾウムシ」「エゴシギゾウムシ」などです。
これらの多くが北海道から九州にかけて、本州でも当たり前に見られる種類です。大きさは5.5~10mm程度の小さな虫です。
名前を見てわかる通り、生息したり産卵する場所に草木にちなんだ名前になっていますね。
しかしどの種類もその草木にしかいないというわけでなく、どんぐりや栗などにはどの種類もいることがあります。
シギゾウムシは動きが遅いけれど、頑丈な外骨格で身体を守っています。
天敵に会うと死んだふりをすることもあります。
幼虫、成虫ともに植物食で葉や花、樹液、果実、種子、朽ち木などを食べますが、どの部位を好んで食べるかは種類によって異なります。
家庭菜園や農家で草木や野菜を育てている際に、シギゾウムシに大事な草木や野菜が食べられてしまうことがあり害虫として名高いです。
「栗やどんぐりから白い幼虫が出てきた!」という方も多いのではないでしょうか?
それはシギゾウムシの幼虫です。
せっかく育てた草木や野菜がシギゾウムシに食べられてしまうと悲しいですね。
栗やどんぐりに穴が開いているのはシギゾウムシなどが入ったときの穴ではなく、幼虫が出てきたときにできた穴だそうです。
産卵後孵化すると幼虫は実を食べてある程度大きくなります。
そして穴をあけて外に出ていくそうです。
栗やどんぐりに産卵すると同時に実が落下するので、落下しているものはシギゾウムシなどが産卵した後だとか…。
シギゾウムシの駆除方法
食品総合研究所では高圧二酸化炭素を使って栗の中の虫を完全に駆除する装置を開発したそうです。
しかし一般市民がそんな装置を使うのはなかなか困難ですね。
どうやったらシギゾウムシを効果的に駆除できるのでしょうか?
シギゾウムシは高圧二酸化炭素や二硫化炭素によるガスで駆除する方法しかないようです。
シギゾウムシに効果的な農薬はあるそうですが、規制に引っかかってしまい使用すると販売はできなくなるそうです。
また、事前にシギゾウムシがこないように農薬で忌避したい場合も、シギゾウムシシギゾウムシの産卵のタイミングがわからないため難しいようです。
しかし効果的なシギゾウムシの防御策として、栗やどんぐりを収穫し終わった後に周囲に落ちた草木や実などをしっかり片付けることで、翌年はシギゾウムシが住み着きにくくなるそうです。
栗やどんぐりなどを食べたり、家のなかで鑑賞したりするときには卵や幼虫を駆除することは可能です。
塩水に一晩漬けて天日干ししてしっかり乾燥させます。
そうすると中に侵入している幼虫も出てきて卵も死滅します。
高温で茹でる方法も効果的です。
鑑賞目的の際は天日干しをして乾燥させますが、食べるときは高温で茹でたら浮いてきたものは捨てて、沈んでいるものはそのまま食べられます。
60℃以上のお湯で基本的に虫は死滅するそうです。
中心部までその温度が伝わらないと意味がないので10分以上は茹でた方がいいですね。
これと同じ理論でレンジで加熱してもシギゾウムシは駆除できますが、栗やどんぐりは殻が割れてしまう恐れがあるので茹でる方がいいかと思います。
また、冷凍庫で冷凍してしまうのも手です。
虫は-20℃では基本的にどんな虫でも死んでしまうそうです。
時間はかかりますが、冷凍庫に3~7日ほど入れておけば必ず虫が死滅します。
もちろん幼虫だけでなく卵にも効果的です。
まとめ
・シギゾウムシは栗やどんぐり、クヌギ、コナラ、ツバキなどに寄生する。
・出荷する前に駆除をしたり、事前に農薬で防御することは難しい。
・食べる前に塩水に漬けたり、茹でるのが効果的。
栗といえば買ってきたものでも虫の駆除のために必ず茹でますね。
原始的だなと思っていましたが、規制があり駆除するのができないんですね。
しかし家で茹でればいいので簡単に駆除できますね。